「うちの子はよその子と比べてどうも背が低いようだ」と思われる両親は結構多くみられます。背が伸びると言われる方法を色々試してみても効果がなく「背の低い事は病気ではないし何処に相談したらよいのだろうか」と思い悩んでしまいます。背が低い原因には
(1)先祖から受け継いだ遺伝的体質
(2)生活環境や栄養状態
(3)内分泌系、染色体系、骨系の疾患
があります。数年間の成長記録を基にした成長曲線で身長が同性同年齢の子供の平均から標準偏差の2倍以上低い(−2SD以下)場合を低身長といいます。低身長の中で成長ホルモン不足が考えられるときや、甲状腺ホルモンが不足している場合、治療の道が開かれています。医師と一緒に成長曲線を作ることは可能ですから来院いただきご相談ください。




 ・小学校入学頃の身長

 ・両親の身長の平均

 ・骨年齢(こつねんれい)

 ・思春期の時期




■第一診察室
 
血液検査 尿検査 手X線撮影の結果骨年齢が遅れ、ソマトメジンCが低値で2種以上負荷テストで成長ホルモン分泌不全があれば成長ホルモン分泌不全性低身長の診断です。 
成長ホルモン治療が可能です。早期治療が大切


第二診察室

体所見と病歴から判断し血液による染色体の検査をします 。ターナー症候群と診断されると成長ホルモン治療が始められます。
成長ホルモン負荷テストは必要ありません。
年齢により性ホルモンも併用します。早期発見すると150cmを超えられます。



■第三診察室  


血液検査の結果.成長ホルモンも甲状腺ホルモンも分泌不全でした。
甲状腺機能低下症が疑われます。
成長ホルモンが適用になり甲状腺ホルモンも併用します。
早期発見早期治療が大切です。




成長ホルモン分泌不全性低身長
子供が順調に成長してゆくためには成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモンなどの他に、まだよく知られていない多くの因子が必要と考えられています。脳の下垂体と呼ばれる部位から分泌される成長ホルモン(GH)は、肝臓や腎臓、骨に働いてソマトメジンC(IGF−1)という成長因子をつくらせ、それが骨にはたらして、背が伸びます。
成長ホルモンの分泌不全が(原因は*表―1)あると徐々に平均身長から離れてゆきます(図―3)。GH分泌不全があり、骨端線が閉じていなければ成長ホルモンを投与する治療が行われます。
*表は現在準備中です。


ターナー症候群

ヒトは46本の染色体に遺伝情報がのっています。44本は男女共通(常染色体)で残り2本(性染色体)は男性がXY、女性がXXです。X染色体の1つが欠けていたり、なんらかの構造上の異常がある時です。低身長を特徴とし外反肘、首が短い、耳の位置が低い、また、二次性徴が出現しない(生理がない、乳房が大きくならない、恥毛がない)などの症状があらわれます。低身長は成長ホルモンで治療すると150cmはこえられますし、性腺ホルモンを使うと、二次性徴も出現します。妊娠、出産することもあります。専門家の治療を受ける必要があります。


骨年齢
骨の間にある軟骨細胞が増え骨におきかわって背がのびてゆきます。レントゲンで見ると子供のあいだはこの軟骨が薄くみえ、骨と骨の間に隙間があるように見えますが、成人の骨には軟骨はなく骨で埋まっています。これを骨端線が閉じるといいます。手のひらの骨端線で骨年齢を見て後どれくらい背がのびるかが診断出来ます



甲状腺機能低下症

生まれつき甲状腺機能低下の場合と後天的に機能低下する場合があります。特に後天的の場合低身長で見つけられることがあります。顔、足がむくんだり、髪がバサバサになったり、ひどい時は貧血になります.



SD(標準偏差)

平均からどの程度はなれているかの指標で−1SDで64.5%、−2SDで3%程度です



早期発見早期治療

(1)小児内分泌疾患はそのほとんどが治療可能です。見逃されると治療が遅れ十分な効果が得られません。
(2)低身長の場合正常範囲の身長と隔たりがそれほど大きくない場合成長ホルモン治療を行うことにより最終的には身長を平均に近づることも可能です。しかし診断が遅れた場合正常身長の範囲に追いつくことが出来ないうち骨の成熟が進み身長の伸びが期待できなくなってしまいます。


ソマトメジンC
成長ホルモンは肝、腎、骨、に働きかけてソマトメジンCという物質をつくります。それが軟骨に働きかけて身長を伸ばすことがわかっています。ソマトジンCの産生には成長ホルモンと十分で良質なタンパク質が必要です。また成長ホルモンの効果をたかめるには規則正しい生活、食習慣、そして十分な運動とストレスをためない生活が望まれます。




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